今だ意識の戻らぬ年端もいかぬ少年。領主マルキドゥスの前にただその肌を晒して横たわるばかりだった。
奥の間には領主以外はその肩腕のドゥナミス以外は入れない。他に居るのは領主お気に入りの『生き人形』達だけである。
容姿端麗な者達の優雅な立ち居振る舞い。更に此処に仕える者達はすべてが他の芸にも秀でているという者たちばかり。ある者は舞踊に通じ、ある者は音楽を奏でる事を得意とする。それぞれが一芸に秀でた見栄えの良い若者たち。全てが領主の為にその技を磨いていく。が、決してそれは心からそう感じている訳では無かった。逆らった後の末路をそれぞれが知っているからなのである。
ここの領主に離反すれば己を待ち受けているのは無限ともいうべき恥辱の数々。彼等はそれを幾度も目のあたりにしてきたのだった。仲間同士手と手を取って逃げようとしたかつての『生き人形たち』の末路をその目で見てきたのだ。
調教と云う名の拷問。苦痛と快楽の狭間で、その精神を崩壊させ半ば廃人と化した若者たち。そしてその最後は…。見るも無残なただの肉片へと変わっていったのだった。ここの領主自身はその光景を微笑みを湛えて見つめ続けていた。彼等は、その横顔を決して忘れはしない。周りの誰もが目を背けたくなる様な光景を食い入る様に見つめつ一対の瞳の存在をである。さしもの、従者ドゥナミスですらその光景を眉根を寄せて見つめていたのだった。
逆らえぬ主の命令。逆らえば待っているのは死以上の―――。ここに囲われる若者たちはそれを知っていた。
領主マルキドゥスの手ぶりだけで彼等は動いた。言葉の無い指示にただ黙々と従っていった。ある者は何かの小箱をその手に携えてきた。またある者は横たわる少年の体からその纏う布を剥いでいった。そして別の者は他の箱を持ってくる。領主の周りに置かれた数々の小物。それを目で確認すると、静かに領主は手を振り払った。音もなく、ただ一礼のみを残して部屋を出ていく若者たち。そこに残されたのは僅か三人だけ。
嫌な予感にドゥナミスの表情は歪んだ。
「…準備を」
静かに下された命令を受けると、ドゥナミスは領主の傍の小箱の一つに手をかけた。派手な意匠をこらした鉄環が納められているその箱。二つの環が短い鎖で繋がれた物二組納められていた。
「左右にな…」
ドゥナミスがそれを手にするとすぐに次の命令が下った。
云われるままに、少年の両手足にそれをつける。未だに意識を取り戻さないのが幸いなのか。二つの拘束具によって、それぞれ右左の手足が結び付けられたのだった。身体を動かそうとも出来ない格好にである。その腕を広げれは嫌が上にも両方の足は広がってしまう格好である。
「起こせ…」
云われるままに、ドゥナミスは少年の体を背後から抱えた。ちょうど領主に向かって其の足を開く格好にである。
領主の視線はその幼い少年の股間に向かっていた。
「綺麗な色をしている…。未だ未使用か…」
「さあ、そこまでは解りかねますがね…」
「まあ、この形で経験済みとは考えにくいがな…。なれば先に快楽を与えよう…。そこから始めても悪くはないだろう…」
ドゥナミスに向けられたその言葉。領主の視線は少年の背後の男に向けられていた。その視線を受けながらも、ドゥナミスは返答を返す事は無かった。
領主マルキドゥスは、視線をそのままに少年の股間を弄り始めた。規則正しかった少年の吐息が徐々に乱れ始めていく。微かに閉じられた瞼が震えを見せる頃には少年のそれは緩く立ち上がりかけていた。
「…くふっ」
少年は短い吐息と共にその瞼を持ち上げた。初めて目にする男の存在に脅えを見せた少年は身を捩ろうとした。かちゃりとなる鎖の音。背後の人の温もりに顔を見上げれば無言のままで見下ろすドゥナミスの視線にぶつかったのだった。が、その視線もすぐに外れる事になった。
「ひゃあっ…、痛いっ…いやああ…」
領主の手が目覚めた事を良い事に強く扱き下ろしたのだった。その刺激に少年は仰け反って涙を流した。その刺激にか僅かに萎えたそれは、形を変えていたのだった。
「痛い、いやっ…。触らないでええ…」
突然襲った痛みに少年は恐慌状態となった程。身体を動かして逃げを打とうとしても、拘束具と背後の男がそれを許してはくれなかったのだった。
「良い声で鳴く…。そんなに痛むか…」
目の前の領主の言葉に少年は激しい程の頷きを見せたのだった。
「お願い…。もう…」
「痛むだけか…」
再びの領主の言葉に、少年は大きく頷いた。
「それは、かわいそうな事をした…」
領主の顔は微笑みにあふれていた。
そっと、別の箱から小さな容器を取り出すと領主はその中身を少年の一物に流しかけたのだった。
「もっと違う感覚も感じてもらおうか…」
領主の手にしたモノを見て少年の顔はこわばった。細長いガラスの棒。それは捩じりの入ったものであった。ぐいっとひっ張り上げられた少年の物の先端にそれが当てられたのだった。
「いやあ…、お願い…止めっ……」
ぐいっ、と押し込まれていく刺激に、少年は声も出せずに仰け反った。全身に激しい震えを見せながら。
「おや、声も出せない程であったか…」
笑いを含んだ領主の声も今は少年には届いてはいないだろう。
「持ち上げろ」
ドゥナミスに再びの命令が飛ぶ。
ゆっくりとドゥナミスは少年の膝を抱えあげた。股間に細い棒を咥え込まされたまま、少年は秘門を領主の目の前に晒す格好となった。再び注がれる液体の存在に、ただ少年は弱々しく頭を振って見せた。
「どうやら、こちらも初物らしいな…」
領主が手にしているのは一番小ぶりの張り型。それでもゆうに大人の指先ほどの太さは有る代物。
「上手に飲み込んでみよ。さすれば痛み以外のモノも感じる事が出来るであろう…」
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